ベガルタ仙台裏強化部コラム

兼 ベガルタ仙台裏経営検討委員会議事録

【2018ベガルタオフ(14)】FW平山、現役引退

さらば怪物よ

日程も予算も発表され臨戦態勢へと入るなか、悲しいお知らせが……。

 

★公式

平山相太選手 現役引退のお知らせ | ベガルタ仙台オフィシャルサイト

 

★日刊スポーツ

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元日本代表、平山相太の引退。

 

2017年、J1リーグ開幕戦。相手は、コンサドーレ札幌。2016シーズンから戦術とシステムを大きく変えた仙台は、前半から札幌を攻め立てる。だが、点数はなかなか動かない。切り札として、ユニフォーム姿の男がベンチを立った。

 

男の姿を確認したサポーターは一様にどよめく。目線の先に立つ男、それは平山の姿だ。

 

だが、しかしである。どよめきも束の間、スタジアムは歓声に包まれた。平山と同じく、新加入したFW石原直樹がゴールネットを揺らす。

 

開幕戦は絶対に落とせない。指揮官の選択肢から、平山の投入は消えた。

 

試合は1-0で仙台の勝利。平山も歓喜の輪に加わり、サポーターへの挨拶を済ませた。

 

まさか、これがユアスタに立つ最後の姿になるとは。


キャリア初の0試合出場

開幕戦の後、次節に向けたトレーニングで怪我を負った平山。急ぎ3月11日には手術を行なった。診断は左腓骨筋腱脱臼。

 

全治まで約12週間。プレスリリースを見て「リハビリを経て、秋には戻ってくるだろう」そう思っていた。

 

だが、その後ベンチにすら入ることは無かった。FW石原がチームの中心として、ルヴァンカップ準決勝進出の原動力となったFWクリスランの影で、平山はキャリア初の出場0試合でシーズンを終える。


心から、復活を願っていた

迎えたオフシーズン。平山の母校である名門・国見高校がある長崎がJ1昇格を果たす。FC東京のDF徳永が移籍を決めており、個人的には彼の去就に注目していた。

 

結果は残留。契約更新のリリースを見て、来年こそは頑張ってほしい。来シーズンこそ、ベガルタでのキャリアがスタートする。2018年のシーズン開幕戦にベンチ入りした彼が、いよいよベールを脱ぐんだ。そんなドラマチックな展開まで期待していた。

 

ところが、2018年のスタートを切っても彼の姿は無い。ケガの状況が思わしくないのか。第一次沖縄キャンプに入り、地元仙台のスポーツ番組に出演した監督の口からも平山の名は無かった。

 

そして、今日の発表である。一度は契約を更新しながらも、シーズンを前にした決断だった。

 

「怪物」と呼ばれた男の、あまりにも寂しい、だが、いかにも彼らしい決断だったのではないか。


今は、休んでくれ

「いるだけで、ワクワクする」そんな一サポーターの思いは、当人にとって迷惑千万だったであろう。でも、期待してしまう。それほどに、彼のポテンシャルには魅了されていた。勝手なものだ。

 

プレーできない苦しみは、プレーする本人にしか分からない。増して、日本代表に選ばれるほどの逸材だった。周囲の期待と、現実。どんな思いで、彼はいたのだろうか。

 

セカンドキャリアを語るには、まだ早すぎる。だが、ケガとの闘いを終えた彼の今後が明るいものであってほしい。今は、ただ願う。

 


それでも、チームは前に進む

一人の男がピッチを去っても、開幕へのカウントダウンは止まらない。立ち止まる暇などない。

 

できるなら。やはりスタジアムでは心動かされていたい。だから、後進の活躍を願う。ジャーメイン、西村……ポテンシャル豊かな彼らの活躍を期待している。君たちなら、できるはずだ。きっと。

 

 


 


 

珍しく(そして久しぶりに)真剣に書いてみました。

 

次回は、反動からアッパーなテンションになること間違いなしでしょう。

 

それでは、また。