ベガルタ仙台裏強化部コラム

兼 ベガルタ仙台裏経営検討委員会議事録

ベガルタアナリストSの論理的で感覚的なコラムVol.004

アップダウンフットボール

どーもどーも。すっかり時間が空いてしまいました。

 

天皇杯つつがなく終わり、シーズンも11月頭で終了です。
というわけで、裏強化部も来季に向けた構想に着手しております。

シーズンの総括は、まあ今季終了後にします。来季開幕まではとんでもなく時間あるので。J2の昇格争いを目いっぱい楽しむ予定です。

 

多分山形の試合を別な意味で観に行くなど、オフシーズンは楽しい記事をいーっぱいあげる予定(は未定、笑)ですのでよろしくです。

 

さて、最近は天皇杯含め5試合勝ちなしの我が軍。
気が付けば負けた時にばかり記事を書いているような気もしますが、つつきたい訳じゃないではありませんから。きっとそうですから。

 

まあでも、あれですな。
勝ち続けて、負け続ける……では、そうもなってしまうのですよ。ようやく筆を取れる時期が、連敗のターンだとどうしてもねえ。

 

なんだかなあ。


スクラップ、ビルドアップのちスクラップ

書きたいことは、いろいろありますぜい。
ありすぎて、ロード・オブ・ザ・リングくらい大長編になりそう。

 

今年はですね、昨年に比べてかなりユアスタに足を運びました(Sさん的に)。
現地に行けなくとも、映像をほぼチェックしていて。しっかり観ないで批評するのは間違いだしね。

 

んで、まあ思うことは。
とにかく、修正する力がない。Kさんも言っておりましたが、まったくの同感。
1ゲームのなかではもちろん、しばらく試合を通して負け続ける時期を経ないと勝てるターンにならないのはどうかと思う。

 

試合へ望むにあたって、どんなチームマネジメントをしているのかが気になるなあ。
きっと、綿密なスカウティングを行っている……はず。なんだよね?
話によれば、確かメンタル面のマネジメントも行おうと有識者を呼んでコーチンしとるだか。

 

でもね。はっきり言えば、功を奏してない。

まあ、ベガルタは現状中小規模の地方クラブ。チームスタッフ、選手含めて資質はきっとそれなりだと思う。
だから、ある程度成績はこんなもんかなと。そこは、現実的に考えている。

 

そんな中で何とか勝てるよう、工夫はしてると思う。試合を観ていると、狙いを持ってやっていると推測できる。
相手のストロングポイントを消そう、そして自分たちの形(よく言ってるよね「ボールを握る」ポゼッションの形)に持ち込もうと。
でも、うまくいかない時、ハマらなかった時の惨状はまあ見るに堪えない。

 

なんでこんなに柔軟性(修正力)に欠けるのか。
推測の話にはなるけど、今期はよりヨーロッパ的な戦術の落とし込み方をしていると思う。ステマチックに、みんなでやる組織的なフットボールをしたいんだろうなとは感じる。

増して今年は、選手も従順で器用(貧乏)なタイプが多い。そういう編成してるんだろうね、おそらく。

 

ただ、思う。
果たして、今いる選手たちは戦術理解力……いわゆるフットボール脳」の高い選手は多いのか?
本来、高い基礎技術が前提なヨーロッパフットボールに対応し得るスキルを選手たちは本当に持っているのか?

その点に、疑問が残るのだ。

 

渡邊監督はポゼッションを推し進めたいんだなという意思は強く感じていた。
金銭的な事情もあったとはいえ、武藤・太田・山本・二見など「感覚派(個人技がウリ)」のプレーヤーは、外国人を除き多くがチームを去った。
その辺りに、チームづくりの「意思」が伺える。

 

それでは、今年の戦力はどうだったのか。
三田や金久保、野沢、茂木、匠、水野、梁、菅井あたりは基礎技術(技術だけならウイルソンもか)がある。


でも、ほかのメンバーはどうか。
バックライン(菅井以外)、そしてボランチ(三田以外)は正直「?」と思う。

 

ポゼッションするなら、いいトラップ、スムーズなボールタッチ、思ったところに運べるドリブル……が必要最低限マストだ。その三点が揃って、はじめて攻撃に転じる際思ったように攻められるベースができる。
そこに先述したフットボール脳があって戦術を理解し、ようやく機能する高次元なフットボールが「ポゼッション」ってやつではないかと。決して、欠点をフォローするための戦術ではない(勝負に勝つにはあまり有効ではない、という意味で)。

 

Jリーグで「ポゼッション」と聞いてパッと思いつく広島さん・川崎さんだって割と四苦八苦して戦えるレベルまで持ってきたじゃないすか。
でも、ポゼッションを成立させるには強力なストライカー(つまり得点力)が必要だよね。ドウグラスやウタカ、大久保や小林しかり。技術ある選手も必要。

 

ウチには、それがない。つまり、何を言いたいか。

 


高望みしすぎだと思うんですよ。

 


やれないことを、今やろうとしても結果が残らない。当り前さね。
物事を進めるには、段階が必要。多分、現首脳陣が思っている認識以上に。

 


いまのウチには、ポゼッションはやれない。

 


わーっとプレッシャーかけられたらポゼッションも何もできなかった、そして想定外のケースに全く対処できなかった(「対処すること」が許されないチーム戦術の硬直性?)天皇杯・盛岡戦なんていい例だったでしょ。

 

現実を見てほしい。
一発勝負とはいえ、カテゴリの違いで情報不足だったというエクスキューズがあったとはいえ、J3相手にあんな試合してしまうのが現状なのだと。

 

だから、「我々のフットボールがどうこう」という話はすべきじゃない。
「自分たちのフットボール」を論ぜる段階じゃないでしょ。

 

「自分たちが正しい」という見解の上で、チームマネジメントをもし本当にしているとしたら、その認識は捨て去るべきだ。その“正しさ”は「ブレない」ではなく、ただの「勘違い」だ。結果が残っていない以上ね。

 

謙虚になれ。そう言いたい。

 


練習は、裏切らない。

試合に勝てない、それはトレーニングの質の裏返しだとも思う。
練習はよくもわるくも裏切らないものだと思うから。

 

試合を戦うのは選手たち。試合で戦術がハマらなかったら、ピッチレベルで修正するのは選手たち。

もし、その自主性を発揮する事が禁じられているとすれば、大問題だ。
(それをやろうとしたら、チームバランスが崩れてしまうとしたらもっと問題。選手に自主性が無ければ尚のこと問題)

 

思うのだけど、渡邊監督がつくるチームのストロングポイントって何?よく「我々のストロングが」とか言っているけど……。

今年感じるのは、三田のセンスかな?あと、大岩・奥埜の果てしない運動量位しか思い浮かばないのだけども……。その二人にしても流石に最近はバテ気味だよね。明らかにコンディション落ちてる。(使い詰めだったし、しょうがない)

 

なんだろうね。
個人的には練習の強度が足りないと思うんだ。ここで言いたいのはフィジカルの意味では無くて。
(まあ怪我人続出なのは、フィジカルトレに問題あると思うけど。データに基づいたトレーニングはいいけど、データの使い方というか、負荷のかけ方間違ってるんじゃないのかね)

 

戦術を落とし込むには、ゲーム形式になると思う。でも、戦術確認に重きを置き過ぎなのではないか?


Bチームが対戦相手になるとは思うのだけど、強豪相手を想定した時には相手として強度が物足りないのではないかと。

 

当たり前でしょ、と言われればそうだけど。
でも、Bチームの選手たちに野心はあるのかなあ。仮想相手という練習台になりつつも、Aチームの選手のポジションを奪ってやろうとガツガツ自己アピールしてるのかな。プロとして生き残るには必須のマインドだけどね……。

 

もしかしたら、アピールするプレーは評価されないのかもしれない。チームの和を乱すとかで。今年は怪我人が多発して、若手が試合に出れる環境だったから、あまりクローズアップされないように思うけど。

 

まあ、この辺りは、まったくの推測です。
ただ、結果が出ていない以上は練習にも何らかの問題があるのは間違いないと思う。


燃える懐

戦力や戦い方にもいろいろ問題はあるけど、経営がよろしくないみたいですぜ。
今年も赤字になるとか。

あれ、たしか昨年も赤字では無かったか……。
3年連続赤字だと、J1ライセンスを取れないのではないか……。


となると、天皇杯もルヴァン杯も早々に敗退した我々ベガルタの今オフが厳冬になるのは想像に難くないですな。

 

なんでも、チーム経営の生命線である観客動員数が芳しくないと。
まあ、そうだよね。一見、何の特徴もないプロチームの試合なんて、よっぽど好きものじゃないと観にいかないでしょ。割と高い料金設定だし。

 

これまで一度もフロントに期待したことはないので、まあいろいろしょうがないとは思ってるけど。

とにもかくにも、試合内容に魅力がないのが何にも代えがたい理由でしょうな。

 

こんな言い方するのもなんだけど、お客さんのみんながみんなフットボールを、そしてベガルタのことを理解しているわけではない。

そういう層をファンに、サポにしたいと考えた時、どんなプレーが心を動かすのでしょうか。


やはりシュートであり、得点でしょ。フットボールの魅力の原点ですよ。

 

んなこといっても、バカみたいに失点して降格したら意味ないでしょ?と言われたら、まあそうだよなとは思う。

でも、このままいけばますますお客さん離れますぜ?(or来ないよ、来なくなるよ)

 

「ポゼッション」をやりたいなら、相応の選手が必要。
でも、今季辛うじてそれを支えていた選手たちは、厳冬のなかチームを去る可能性が高い。(特にベテラン・レンタル・外国籍選手あたり)

まして次代を担う選手たちが、青田買いされてしまったらよろしくない訳で。

 

「継続性」を持ったチームづくりがしたいなら。
まずは、お客さんのハートをがっちりつかむ試合をしないといけないと思う。

 

例えば、めっちゃガチガチに守っても順位を上げるとか、ラグビーのように凄まじいハードワークを行うとか、失点恐れずともとにかく得点取りに行くとか。差別化じゃないけど……平均的ではない(非日常とゆうか)、目にそして心に焼き付くプレーをしないと。

 

いいフットボールをするには、いい選手が必要です(年棒高い選手という意味だけではない)。

チームに「いい選手」を呼び込むためには、理想を捨ててでもまずは結果を残す必要がある(それかよっぽど魅力あるフットボールをする)。

結果を積み重ねて、徐々に理想に近づける。そんな「段階」が必要だと思う。

 

渡邊監督が不幸だったのは、トップチームで存分なマネジメント経験を積めなかったことだ。
その点は、心情推し量る部分はある。試行錯誤の連続でプレッシャーも半端ないだろう。


増して、前々任はそれなりに求心力あった監督だったわけだ(好きとはまったく言っていない)
比較される点も多々あるだろう。もまあ、いろんなプレッシャー(政治)にさらされてきた中で、生き抜いてきたわけだ。

 

まあお金も人脈もない我が軍、1年契約だった渡邊監督も恐らくは続投ではないかとSは踏んでいる。


ただ、このままの状況ではジリ貧だ。ほかのチームがなんだかよくなくて今は免れているが、今オフ経営不振による戦力ダウンでもしようものなら降格の可能性は必然的に高まる。現在のJ2はとんでもないところだ。一度落ちようものなら、帰ってくるのは容易ではない。

 

チームは、非常に難しい局面へと差しかかっている。
もし渡邊監督を続投させるなら、選手一人二人の枠を削ってでも、監督をサポートできる経験あるコーチを置くべきだ。

 

現首脳陣では、迅速にチームを修正できる力がない訳です。プロチームを円滑に経営していくためにも、テコ入れが急務なのは間違いないでしょう。渡邊監督の指導者としての成長を促すためにも、首脳陣の強化が必要だと思うのです。

 

ご意見番、求む。


捨てたもんじゃあないこともある

まあ、こんなトップチームではありますが。
ユースっ子たちは、めっちゃ頑張っております。

 

いまトップにいるモテしかり、匠しかり、小島しかり。
強化策がようやく実ってきて、今のユースは逸材が揃っております。今年こそ、プレミアに昇格してトップレベルの戦いを経験してほしい。

 

エッチュウ氏には、広島のように選手がユースからトップに常時昇格できるチームづくりを引き続きしてもらって、がっちり基盤をつくってほしい。

 

ユースの存在が、今ウチの一番の希望です。
ユースのプレーヤーをもっとライト層にも知ってもらって応援してもらい、お客さんの「チーム愛」を育成するのも観客動員対策のひとつかなと思う。

 

あとよかったのは、大岩と三田の活躍かな。
J2(あるいはJ1上位チームの余剰戦力)から戦力を見つけてきて、ウチの主力にするスカウティングは今後も続けてほしいものです。


ウチにだって降格の可能性はまだあるんですぜ

長くなりましたな。そろそろ終わりにしやすわい。

ちなみに、降格圏に沈んでとってもアレな名古屋さんそしてトゥーさんが観たいので名古屋戦は試合観に行きますぜ!できれば、レポートもしたいものですな……。

 

ではでは、また。